低音障害型感音難聴

これについては書いておきたいのです。私が何だかわからずに苦しんだから一つの情報として。
基本的に原因ははっきりしていない病気だと思います。聴力が「低音の部分を中心に」下がる病気です。メニエール的めまいとも関わっていて、人によってはめまいを伴うこともあるようです。私の場合めまい単体を先に体験しました。そこから一年経って難聴が来ました。

症状で自覚できるものは、
●まず「低音の耳鳴り」です。わたしはボイラーと呼びました。「ボーーー」という低い音が聞こえます。悪化するとボリュームMaxに。
●男性の声が割れたりひずんだりします。電話の相手でも同様です。男性の方が女性より周波数が低いことが多いせいです。
●ピアノの音に顕著ですが、倍音が鳴ってがちゃがちゃになり、車の排気音も「ヴーー」と頭を覆い尽くす音になったりしました。

最初、何か起きたのかわからないことが怖かったです。もともと数十年前に右耳の聴覚をほほ失っています。ボイラー音がした時、このまま左耳も聞こえなくなるかもしれない、とかんがえました。私は手も不自由ですから、手話は難しい。
問題は、この病気を正しく診断できない医師がいる、ということでした。最初、手順を踏んで隣村の耳鼻科を二軒訪ねましたが、一軒はこの難聴のことをよく知らず、もう一軒は正しく診断できませんでした。この「たらい回り(回しではない、紹介もしてくれないから)」の間どんどん症状は悪化し、大げさでなく死にたくなりました。ぜんぶの音がガチャガチャに壊れて聴こえ、一瞬も止まらないボイラー音が鳴り続ける状態に耐えられなかった。
診断が何とか付いたのは、医療センターでした。少し遠いですが、その死にそうな状態で何とか訪ね、低音障害型の難聴のようですね、と言われました。助けてくれなかった耳鼻科二つ含め、都合三回目の聴力検査。見せられたグラフは先の二院で見たものと「まったく同じ形」でした。検査は機械がするが、データを読むのは人間である医師、とよく言われますが、まさにそれです。この部分は余談ですが、残念ながら機能してくれない医師はいます。助けてくれない場合は、あきらめずに別の人に会うべきです。一番言いたいのは、「患者が苦しんでいて、自分ではよく判らない時は、せめて判りそうな機関を紹介してほしい」ということです。今回の一人目なんて、死にそうに苦しんでる私に「まぁ、気にせんことです」って言い放って終わりでした。心があるのか、と思う。
ボイラー音については、医療センターの先生から、「低音部分が聞こえなくなって欠けるので、その部分をテキトーに聴覚神経が補ってしまうのです」と説明されました。そんなこと、しなくていいのにーーー!!!

大昔、右耳が聞こえなくなったのは血管の奇形を外科的オペレーションしたためなのですが、それが東大でした。そのため、診断は医療センターでほぼつきましたが、聴力が片方、手術で耳の構造が特殊、という既往症をかんがえて、加療は(ここまで予約が取れなかった)東大ですることになりました。
低音障害型感音難聴治療のファーストチョイス(もっともしばしば選ばれる)は、漢方薬の「五苓散」です。効き目はゆっくりですが、わたしの場合、他の薬もいろいろ使っていることを考慮して、これを処方してくれました。身体の中の水分を調整する薬です。飲むと利尿効果でトイレが近くなります。これを飲みつつ、水分をたくさんとること(飲み、かつ出す、ということになる)、運動をすること、睡眠を多めにとって休息をすること、という指導をされます。漢方の他にイソバイトなど別のお薬もあります。出して貰いましたが使いませんでした。(説明ではゼリー状で飲みにくい味とのこと)
漢方を一日に三回、最初は飲みました。一か月ほどでボイラー音が少し小さくなり、ここまでの間の死にそうなストレスで減った体重が戻りました。大げさでなく、ほんとうに死にたいほど苦しかったので。(今思うとわたしの場合、片耳しか聞こえないのも災いしたかと)
ただ、少しおさまったものの、なかなかすっかりは治らず、先生にそう言うと、「この症状は半年くらいかけて治るのが平均です。一年かかる人も居ます。まだまだですよ」と言われました。その言葉の通り、聴力検査の結果が(右は別として聴こえる左耳の)ほぼ正常になったのは半年後、ボイラー音がほぼ消えたのは約一年後でした。
これを書いておきたかったのは、治療をすれば改善する可能性がある、ということを伝えたかったからです。自分がなった時、ネットに情報を求めました。体験した方の記録がとても役に立ちました。自分の経験も書いておけばもしかしたら誰かの役に立つかもしれませんから。
病気の原因はまだ不明のようですが、内耳にある蝸牛の部分が水腫といってむくんだような状態になる症状という風に聞きました。これが砂地で起きると眩暈の症状が起きるので、人によっては「ボイラー音+めまい」という症状になるわけです。そして、良く似た病気に突発性難聴というのがあります。これは低音域限定ではなく別の周波数が聞こえなくなる症状で、早い加療が大切と言われています。「耳がヘンだな」とか「聞こえなくなったな」と感じたら、耳鼻科で相談することをお勧めしたいです。ただし、不運にも診断できない医師に当たることもありますので、再度書きますが、納得できない時はどんどん別の医師に会ってください。諦めず、わかるまで。

追記として、わたしは実は再びなりました。眩暈は繰り返すとメニエールと診断されます。この低音難聴も、まだはっきりしない病気とはいえ、どうもメニエール的なものと地続きの感じがします。あくまでも私見です。だとすると、ストレスがたまったり、疲れたりすると再発する。あと、私の場合は「寒くなる」というのも加算されるようです。初回(2年前です)も再発も12月発症でした。現在加療中です。
またなってしまって、繰り返してだんだん悪化するのでは…という不安はなくはない。でも、最初になった時の「訳の分からない恐ろしさ」は2回目にはありません。それが唯一の救いです。今回はボイラー音がし始めた段階で飲みきっていなかった五苓散の服用を自主的に始め(本当はだめです)、東大の予約を待って受診しました。
「またなっちゃいました」と言ったら、大昔、私の耳を切った執刀医が「ちゃんと寝てる?」と言いました。うーーむ。猫(マキヲ)がいたりして、あと心配事が多かったり、やすめていないことがあったかも…と思いました。漢方は出すけれど、少し汗ばむくらいの運動をして、ちゃんと水分とって食べて、ちゃんと寝て。と言われました。12月からですから、良くなったり悪化したり、今は少し良くなりました。まだボイラー聞こえるけれど。
わたしの体感として、お風呂も効くような気がします。利尿効果がもともとあるからかな。2年前、一番最初になった時、ゆっくりお風呂に入ったら軽減して一旦治ったのを思い出します。(その後、ダメになって病院行脚になるのですが)

と、ここまでで、伝えておきたいことは書けたかな。長いし、必要ない方には「なんのこっちゃ」なお話でしょうけれど、今、わたしと同じ目に遭っているひとがここへ来たら、少しは参考になると思いますので。女性が多いので、なんというか、仲間に、苦しんでいる人に伝えたい。
治らなかったらどうしよう、治ったとしても、少しずつ聴力が落ちるのではないか、という不安は今もあります。特に手が不自由なわたしにはタフなことになりますから。でも…、もっと大変な人はたくさんいる。少なくとも「生きている」ということをかんがえます。


後は余談です。
昔、入院して耳が片方になって泣いた悲しい場所なのに、東大は綺麗な所です。本郷という街もちょっと好きなのです。通院すると寄り道します。普段、村に居るのでできないことがある。たとえば腕時計に電池を入れる、とか。入れました。本郷で。独りで合鍵作って靴修理して電池入れてくれるスーパーマンの店があるw
お昼は東大病院の中の食堂で食べました。お会計待っている間に。おっきい病院は、お金払うのにけっこう待たされます。

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レストランの名前が三四郎です。これは野菜そば。たんめんですね。いつか別の人が食べているのを見て「おお、野菜がてんこ盛り!」と目視し、今度食べようと思っていたのです。ほんとうにてんこ盛りだった。美味しかった。
それから、東大の構内を歩いて抜け(建物が素敵なので。これもいつか写真を載せたいなぁ)、巻亭日常の方に書いた三春堂の桜餅を買って、そして、ここ!

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東京でもっとも優秀と思っている100円屋さん。ダイ〇ーでもセ〇アでもないのですが、小さなスペースに「かゆいところに手が届く」感じの、ものすごーく気の利いた品揃えなのです。大きな100円屋さんに行くよりも、「こんなものがっ」というものが見つかります。不思議。しかも、よく見ていると、常にメンテナンスしているのです。棚が「空いている(欠品)」ということがまずありません。完璧に補充がされています。すごいなー、と毎回思い、通院のたびに立ち寄ります。私的ナンバーワンヌ100円屋さんです。写真でもちゃんと季節ものの桜グッズが店頭に並んでいるのが見えますよね。ちさいけど心がこもってはる。

この後、さらに時間に余裕があれば、本郷三丁目の駅の近くにあるふっるーーーい喫茶店「麦」に寄るのですが、この日は原稿〆切あり、残念ながら帰宅しました。
次はもう少しボイラーを治して、麦でナポリタン食べよう。ルオーでカレーもいいな。近江屋洋菓子店にも行きたいな。頑張る。


*「難聴その後」 ←ここに書きました。


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Commented by nensun at 2017-03-29 06:11
お久しぶりです。
読んでいますよ。自分も難聴で苦しみました。今はほぼ大丈夫ですが、時折、調子悪くなります。
困っている人はたくさんいます。ですから読まれた人は勇気付けられますよ。
Commented by tsunojirushi at 2017-03-29 12:57
>nensun
わー、びっくり。わざわざお読みくださっていたとはかたじけない。
そうかー…、不調の時もあるんですね。わたしも、治すの手伝っていただいたのに(ありがとうございました)、またなっちゃったんです。しくしくしく。
今日はちょっとダメな感じ。日によっていろいろです。動かないとだめかなぁ…。

ブログで書かれる方は多いのですが、実は「結果」が書いていないことが多い。なった時は不安だし苦しいから書かれるけど、治った(もしくはもっと悪くなって書きたくなくなった)場合はあまり書かれない。ある程度の経過も含めて書けば、参考になるかな、と思いました。
そうおっしゃっていただけると、励みになります。ありがとうございます。
by tsunojirushi | 2017-03-28 12:59 | 日々の出来事 | Comments(2)