人気ブログランキング | 話題のタグを見る

サントリーホールへ

お仕事をいただいているサントリーサマーフェスティバルの本番。身体は痛いのですが、9/6昨日のこれは聴きたかった。

サントリーホールは改修をしたそうですが、はっきりとわからなかった(汗)
小さいホールのブルーローズの天井が綺麗で常々好きなのですが、

サントリーホールへ_f0367170_17552816.jpg

写真には撮れないことが判明。残念。

演目はこれ、

サントリーホールへ_f0367170_17552880.jpg

チラシを作っている時、演奏される曲も少しずつ聴いたり、プロデューサー片山氏の意図を資料から汲もうとしたり、それなりに努力しつつ書きましたが、昨日本番を聴いてみて、その組み立てがとても素敵なことを実感。百見は一聞にしかず、といったところです。
氏の書かれた「はやたつ芥川、まろかる松村」というタイトルもとても良く解った。言葉は悪いけれど「恐ろしく気の利いた」構成なのだとつくづく感じました。感銘を受けました。愛ある仕事ならではです。

二人の音楽家が創ったアジア的なもの、切り口のひとつはそこなのですが、曲を聴いていると風景が浮かぶような、深い森の生き物や花々、冷たい洞窟をしたたる水、里山を吹き渡る風・・・、日本で言うなら、そんな景色の中にいる気持ちで聴きました。なんというか、絵画的・映像的な世界でした。

そして、演奏が凄かった。優れた演奏はエキサイティングなのにぎゅうっと抑制が利いているものなのだ、と実感しました。わたしは音楽は素人なので、印象的なことしか言えないけれど、隅々まで濃く滑らかに圧縮されているという印象なんですね。いったいあれを演奏するために、どのくらいのリハーサルをなさるのか、それぞれに活躍されている方ばかりですから、そんなには一緒にできないのではないか、なのに、すごい完成度でした。
復習のため、動画サイトなどで音源をいろいろ聞いてみましたが、昨日のものには遠く及ばない(個人の感想です)。生だということは当然あるけれど、すごいクオリティのものを聞かせていただいたのでは、と思っています。
堪能した。特に最後の「弦楽のための三楽章」、ソリッドな宝石のような輝きでした。第一楽章、弦が切れるというハプニングがあり、第二楽章との間が少し中断しましたが、それが気にならないくらい、素晴らしかったです。これは水墨画を想いました。墨痕たくましい厚い壁のような部分、絹のヴェールのような薄墨の部分、走ってゆく筆の流れと線。刻々と刺激的。


サントリーホールへ_f0367170_17552817.jpg

会場に行って、大勢の皆さんのお手元と、自分の手にもパンフレットがあって、そこに自分でかんがえた文言が印刷されているのを見ると、何だか不思議な気持ちになります。何かを少しでも伝えられているか、自問する刻です。

この音楽祭、ほんとうに贅沢です。楽しみにいらしてくださるお客様も多いのだと思いますが、もっとたくさんの方がいらしてくださるといいな、と思っています。

ごはんとボロ縫い物のことばかり書いているので、感動が消えないうちにこれを書いておきたくなりました。


by tsunojirushi | 2017-09-07 18:29 | 日々の出来事 | Trackback